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2002.3.6 発表

■ MRSAを殺菌できる新セラミックス触媒を開発

− 院内感染菌対策や水質浄化に5〜30ppm程度で効果 −

要約

 独立行政法人 産業技術総合研究所 セラミックス研究部門【部門長 亀山 哲也】 メソポーラスセラミックス研究グループ【グループ長 野浪 亨(のなみとおる)】は大腸菌やMRSAを殺菌できる新セラミックス触媒を開発した(特許出願中)。水処理なら5〜30ppm程度の極めて低い濃度で効果があり、漂白や有害有機物の分解効果もあるため水質浄化に有効である。安全で無害なため風呂やプール、病院での院内感染防止や医療器具や衣料などの滅菌や洗浄に使用でき、塩素系薬剤の使用量を大幅に低減できる。(株)ヘルスケミカル(愛知県常滑市久米字池田179)が風呂浄化剤として商品化する。

概要

 新しい材料はアパタイトを被覆した二酸化チタン光触媒をベースに工夫したセラミックス触媒であり、細菌や有機物の吸着・分解能力がある。野浪 亨グループ長の新なた工夫により家庭用蛍光灯程度の光でも効果的に反応するようになった。またアパタイトが細菌を一旦吸着するためこのような弱い光でも光触媒作用により大腸菌やMRSAを殺菌できる。

 大腸菌を用いた実験では、図に示すように当初1000個であったが従来の二酸化チタン単体を使用した場合には5時間後に約600個生存していたのに対し,新材料では30ppm程度(100リットル中に3グラム)の濃度でも3時間後には10個以下、5時間後には0になった。この結果から新材料が大変効果的であることが分かる。

 従って、浴槽水の浄化には一般に塩素系薬剤が用いられているが、人体に対する安全性やトリハロメタンの生成等環境への影響も問題となっているので、新材料を用いることによりこれら塩素剤の使用量を大きく低減でき、また大腸菌の滅菌が可能なだけでなく、浴槽水の有機物やバスタブなどのぬめり等も分解できる。本成果の一部は共同研究をもとに(株)ヘルスケミカルが風呂浄化剤として商品化を進めており、3月12日から開催される国際ホテルレストランショー(東京ビックサイト)で発表する。このセラミックス触媒について、産業技術総合研究所では既に数件の特許を出願している。

 このセラミックス触媒は入れ歯の洗浄剤や院内感染対策としても応用が可能であり、他にも衣類や電子部品、機械部品、食器等の殺菌や洗浄にも使用できる。また、有機物の分解機能や脱色機能に優れ、血液成分やタバコのヤニで染色した紙も二酸化チタン単体ではほとんど脱色しないがセラミックス触媒では5分間程度で脱色出来るなど今までにない効果を示した。さらに歯石のようなカルシウム分も完全に除去出来ることも確認しており,今後の応用拡大を期待している。情報開示や技術移転等を希望する企業があれば連携を進めていく意向である。

 新しいセラミックス触媒は低コストで生産する事が可能で、製造が簡単に出来ることからすぐに応用が可能である。



問い合わせ

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